ショパン マズルカ第44番 (遺作) Op.67-3(05/07)

去年のちょうど今頃、ロックダウン中にリヨン国立高等音楽院の先生が企画されたマズルカ全曲演奏会 in YouTube。
私はこの1曲を演奏させていただきました。

 

 

マズルカとはポーランド民俗舞踊の1つで、ショパンは生涯にわたって50曲を超えるマズルカを世に残しました。
曲想も緩急も様々なマズルカがあります。

ショパンのマズルカは後世の作曲家にも大きな影響を与え、ドビュッシーやスクリャービン、
そして、先日紹介したグラナドス(スペイン舞曲集第9曲目)もマズルカを残しています。

私が演奏した作品67は、他の作品に比べて有名ではないかもしれませんが、
第3曲目はハ長調の美しい旋律と、中間部分の生き生きとした踊りが特徴です。
ワルツにも近いような曲調で、短いながらもとても魅力的な1曲です。

昨年のロックダウン中に自宅録音したものなので、あまり音質は良くないですが(笑)
よろしければお聴きください。

 

教材選び(4/23)

指導する立場に立って、教材選びに悩むようになりました。
音高音大時代の友人たちとも、話題は専ら、教則本や指導法についてだったりします。

また、ピアノ以外の楽器の友人も多いので、彼らに話を聞くこともあるのですが、
楽器が違うと、はじめの一歩もこんなに違うのかと思い、興味深いです。

 

 

私の家族は、叔母、母、私と3人もピアノを習っていたため、3人分の楽譜が我が家にあり、
ツェルニー30番やブルグミュラーなどの教則本は3冊ずつあることも‥笑

 

scores

年季の入った楽譜たち

 

 

今ピアノを教えるのに、たくさんの楽譜が手元にあるのはとってもとっても役立っています。
ボロボロの楽譜もあり、中には一冊200円のツワモノも笑

ただ、どんなに古くても、楽譜は財産なので、母の書き込みも、自分の書き込みも、全てが宝物です。

生徒さんにとっても、勉強した楽譜やノートが宝物になりますように。

レッスン開始(04/14)

2021年4月より三重県津市にあるアーデノート音楽院にお世話になっています。

熱心な調律師さんが設立した音楽院で、2台のグランドピアノでレッスンを受講できる環境が整っています。
ピアノの他にも、ヴァイオリンやフルート、ソルフェージュのコースもあります。

日本ではなかなかない、ヨーロッパのような響きのする完全防音の教室です。
そんな素晴らしい環境で、新しい生徒さんと出会えるのがとても楽しみです!

アーデノート音楽院のリンクはこちら

 

大学在学中から、導入からコンクール、音楽大学受験準備など、幅広い生徒さんのお手伝いをさせていただきました。
フランスでも、フランス語でのピアノレッスン、子どもの合唱クラスの伴奏、
子ども向けのクラシックコンサートなど、様々な経験をしてきました。

生徒さんに音楽の面白さ、楽しさを伝えるというのはもちろんですが、
なにより私自身が常に勉強し、進化し続ける姿を見せれるよう、精進していきたいと思います。

 

 

さてさて、2021年秋頃に音楽スタジオ兼音楽教室を開設できるよう、現在絶賛準備中です!
行く行くは、協奏曲や、室内楽のレッスンもできるような素敵な空間になればいいな…と思っています。
コロナ禍が明けたら、フランスの仲間たちを呼んで、アンサンブルをたくさんしたいなぁ…

コツコツと頑張りますので、続報をお楽しみに…!

伊賀上野 (04/07)

先日、新人演奏会 in いがにて、グラナドスの作品を演奏してきました。

 

iga sinjin

素晴らしい響きのホールで、「ゴイェスカス」の愛の言葉を演奏でき、とても幸せでした。

実は、グラナドスの愛の言葉、2019年にパリで演奏するはずだったのですが、
演奏会の延期、延期、延期のため、なかなか演奏できずにいた曲の一つでした。
それだけに、2年越しに舞台で演奏することができて、本当に嬉しかったです。
大好きな曲なので、またブラッシュアップしたいと思います。

 

 

忍者の町、伊賀。町には忍者たちもひょっこり

iga ninja01

 

iga ninja02

街並みも風情があって、素敵な街でした。

新型コロナウイルスの状況が落ち着いたら、ゆっくり観光に来たいと思います!

 

愛と死 (03/27)

先日、演奏させていただいた、グラナドスの「愛と死」について、少し書きたいと思います。

グラナドス作曲『ゴイェスカス』の第5曲「愛と死」は、第1曲から第4曲の主題を次々に回想していき、走馬燈のような印象を与える曲です。

ゴヤの同名の作品に、決闘に敗れた瀕死の男性を、女性が抱きかかえているシーンを描いた版画があり、その作品に影響を受けたと考えられます。
ドラマティックに二人の愛が歌われた後、最後に男性の死が描かれ、そして弔いの鐘が響き渡ります。


meg masque01リヨン国立高等音楽院での最後の演奏会

 

この曲はリヨン国立高等音楽院の入試で初めて弾いて以来、いろんなところで演奏していますが、
弾くたびにたくさんのことを考えさせられます。
技術的にも難しいですが、何より音楽的表現がとても難しい作品です。

グラナドス自身の手によってオペラに編曲されていますが、編曲前からストーリーが目に見えるようなドラマティックな音楽に、
心を鷲掴みにされ、グラナドスを研究するきっかけになった作品でした。

 

実は、この『ゴイェスカス』を作曲した後にもドラマがありました。

作曲者自身の手でオペラに改作され、アメリカで初演されましたが、帰路の船でドイツ軍による無差別攻撃に遭い、グラナドス夫妻はその犠牲となったのです。
このとき、グラナドスは一命を取り留めましたが、波間に沈もうとする妻の姿を見て海中に身を投じ、二人はもつれ合うように暗い波間に消えたと言われています。

このエピソードが、「愛と死」と交錯するような気がしてならないです。
グラナドスの『ゴイェスカス』。今後も大切なレパートリーとして、演奏し続けたいと思います。